「環」から「融」へ 

−循環・継承・再生する人間環境はいま−

 

主催:2003年度人間環境学コロキウム実行委員会
協賛:Culture Cafe

2003年度人間環境学コロキウム
実行委員会委員長 阪本英二

 人間と環境,現在と過去,私とあなた,研究と実践,大学と現場。われわれの行う人間環境学は,このような二項対立における一方的なアプローチによって把握できるものでも解決できるものでもないでしょう。これらが円環的・循環的にもつれ合う現実を,われわれは常にその只中で考える必要があるといえます。しかし絶えず互いを行き来するばかりではなく,それらがひとつに融け合うことを目指していけないものでしょうか,「環」から「融」へと。
 いま人間環境学が語り合いたい話題を今年も3つ選りすぐりました。ぜひ連続して参加され,「環」から「融」への可能性を考えてみてください。
 コロキウムはわれわれにとって数少ない出会いの場でもあります。せまい研究室を離れてちょっとカフェに足を運んでみませんか。そして,サルトルよろしくたまにはコーヒー片手にギロンしようではありませんか。コロキウムは出たとこ勝負,開けてびっくりのタマテバコ。あなたの考えがギロンをもっともっとおもしろくするはずです。


【各個別企画の概要】

<第1回>

テーマ:「いま」と「むかし」 ―昔ながらの生活における人間-環境の循環に学ぶ―

日  時:10月31日(金)13:00〜16:00
会  場:21世紀交流プラザ(理系)2階講義室
パネリスト:鷲尾圭司(環境社会学・水産学,京都精華大学人文学部環境社会学科教授)
      新城澄枝(食品学,琉球大学教育学部助教授)
      南 博文(環境心理学,九州大学大学院人間環境学研究院都市・建築学部門教授)

 先人たちによって長い年月をかけて培われた昔ながらの生活様式にはさまざまな知恵が詰まっている。そうした知恵が近年の急速な科学技術の進歩や開拓・開発が引き起こす弊害を解決する糸口となりえないだろうか。本企画では,昔ながらの生活・技術と現代の生活・技術との融合について「昔と今の循環」,「人間と環境の循環」を着眼点としてディスカッションする。

 

<第2回>

テーマ:福岡の再発見

日  時:11月12日(水)17:00〜19:30
会  場:Culture Cafe(21世紀交流プラザ(理系)1階)
パネリスト:宮本雅明(日本都市史・建築史,九州大学大学院芸術工学研究院環境計画部門教授)
      松田武雄(社会教育・生涯学習,九州大学人間環境学研究院教育学部門助教授)
      稲舛積氏(NPO博多部まちづくり事務局長)
      那仁満都拉(地震工学,九州大学大学院人間環境学府都市共生デザイン専攻)

 多くの歴史的資産がありアジアの玄関口とみなされる福岡であるが,このまちがもつ「よさ」についてわれわれはまだ十分に理解していないのではないだろうか。都市史や留学生からの視点と日常生活の視点を行き来しながら,福岡の再発見を試み,それを活かしたまちづくりと都市計画の可能性,あるいは観光の活性化への示唆を議論する。

 

<第3回>

テーマ:専門とは何か ―「土着の知」と「学術的知」の循環・融合―

日  時:12月1日(月)18:00〜20:30
会  場:Culture Cafe(21世紀交流プラザ(理系)1階)
パネリスト:福留瑠美(臨床心理相談学,九州大学大学院人間環境学府人間共生システム専攻助教授)
      内藤順子(文化人類学,九州大学大学院人間環境学府発達・社会システム専攻)

 われわれが専門家として地域に入る時,こちらがその地域の風土を知ると同時に住民と話し合い受け入れてもらう過程がある。しかし,その土地に住む人々は地域の風土や文化を世代を越えて受け継いでいる中で,同じ風土を持たない人間が専門家として地域のサイクルを理解し,そのサイクルに専門性を提案するとはいかなることなのか。本企画では,風土を尊重しながら専門性が根付く過程の重要性や難しさを話し合う。