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大学院人間環境学研究院

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教員情報
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南部 恭広助教Yasuhiro Nambu

専攻 空間システム専攻
部門 都市・建築学
コース 修士: 建築構造学
博士: 空間システム
講座 構造防災系講座
九州大学研究者
データベース
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K006613/index.html

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研究内容

研究テーマ設定の背景

日本には、文化的に価値の高い伝統木造建築物や歴史的煉瓦造建築物が数多く存在し、それらの歴史的建造物を地域の歴史や文化の象徴として保存・再生しようとする自治体や団体も多くなっています。しかし、一方で、近年多発する地震により、多くの歴史的建築物が被災し、甚大な被害が報告されています。したがって、それらの構造性能の向上は、人命保護のみならず、町並みや景観保全の観点からも重要な課題と考え、研究に取り組んでいます。

 

研究手法

現在は主に、現存する歴史的建造物(伝統木造建築物や歴史的煉瓦造建築物)を対象とした調査的な研究を行っています。現地調査では、建築各部の採寸を行って平面図や断面図、接合部詳細を作成する構造調査や、複数台の加速度計を用いた振動計測、腐朽や虫害を確認する劣化調査を行っています。

 

調査対象や調査地についての解説

調査対象建物は、主に伝統木造建築物や歴史的煉瓦造建築物です。これらの建築物の多くは、建築基準法の制定以前に建築されており、現在の耐震基準を満たさないものも少なくありません。調査は、重要伝統的建造物群保存地区や民家園など、様々なフィールドで行っています。

 

分析のためのソフトウェアやツール

現地調査は、建築各部の採寸をコンベックスや巻尺、測距計等の計測機器を用いて行います。調査後には、平面図や断面図をCADで描きます。また、耐震性能や振動特性の評価に、数値計算ソフト(MatlabやFortran等)を用いています。その他、これまでの全ての調査対象建物の調査結果・構造性能に関するデータを蓄積するためにExcelでデータベースを作成しています。

 

研究生活で最もわくわくしたこと、逆に最も落ち込んだこと

かなり個人的で説明の難しいですが、古いものと新しいものになんらかの繋がりを発見したときにわくわくします。最新の技術、過去の技術、どちらを知るときも同じように気持ちが高揚しますね。

 

研究生活で出会った印象的な人物やエピソード

自分自身が何でも面白がれる人なこともありますが、挙げだすとキリがありません。出会った多くの方から様々なことを学んでいます。また、書籍等で知る過去の偉人からも学ぶことが本当に多いです(面白いエピソードにも事欠きません)。SNSを通じて知り合えた方も多く、研究室に限らず色んな方と色んな方法でコミュニケーションを取りに行くと良いと思います。

 

大学院生の時何をしていたか

学部4年生の卒業論文を執筆し終えた頃には博士後期課程に進学することを決めていたので、ずっと論文投稿や申請書の〆切を目掛けて研究をしていた気がします。自身の研究に関することだけでなく先輩や後輩の実験の手伝い等、研究室の活動にも沢山関わらせて頂いたので、多くの仲間もできました。時折サークル活動に参加したり、京都に住んでいたので、どこかしらの新旧の建築物を見に行っては何も考えずにぼーっと佇んだり、研究室外の楽しみも大事にしていました。

 

学際連携についての思い

調査を行っている歴史的建築物には、住宅であれば住民の方々や、施設であれば管理者の方々など、様々な人々が関わっています。そして、その方々の建築物に対する思いや考え方、抱える課題も本当に様々です。諸問題の解決には、建築構造の観点からのみでなく、学際的な連携が必要になると思います。

 

今後の研究・実践活動について

歴史的建造物の地震被害軽減に資する研究を行いたいと考えています。

 

おすすめの文献

○杉山英男:地震と木造住宅,丸善株式会社
○坂本功:木造建築を見直す,岩波書店
○西澤英和:耐震木造技術の近現代史,学芸出版
○藤本盛久:構造物の技術史構造物の資料集成・事典,市ヶ谷出版

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