横田 晋務准教授Susumu Yokota
専攻 | 行動システム専攻 |
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部門 | (基幹教育院) |
コース |
修士:
心理学 博士: 心理学 |
講座 | |
九州大学研究者 データベース |
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K006551/index.html |
もともとは「どうしたら自閉スペクトラム症(ASD)のある子ども達とうまく関わることができるんだろう?」という疑問点が出発でした。そこから、ASD児は他の人をどう見ているんだろう、どのように認知しているんだろうというところから、社会認知に興味を持ち、行動実験や脳機能計測を行なってきました。最近は、逆に他の人はASDをどのように見ているんだろうという興味から、障害者に対する態度(特に潜在的な態度)について、研究を進めています。
最近は、行動実験、磁気共鳴画像法(MRI)を用いた脳機能計測や脳の構造画像により、認知機能の神経基盤を調べたり、脳の大きさと各種心理尺度(IQや心理特性、生活習慣など)との関係を調べることが多いです。研究目的や対象によっては、必ずしもこれらの方法が適さない場合もあり、そのような場合には、インタビューを用いた質的研究や質問紙を用いた調査研究なども行っています。
研究対象は、ASD児・者、定型発達児・者が主です。年齢は、子どもから青年期・成人期まで幅広いです。
行動データの解析は主にSPSSを用いています。脳イメージングデータはSPMを用いて行うことが多いです。
こだわりというほど強いものではないかもしれませんが、個人差が大きいASDを相手に研究をすることが多いので、統計などを用いて集団として特性を見ていくことと同時に、集団から外れた人がどのような特性があるのかという点も大切にしたいという思いがあります。
新しい分野の研究や新しい解析手法を学んでいるとき、実験データの解析結果が出る瞬間はいつもワクワクします。それから結果を解釈しているときにロジックがつながると一人でぶつぶつ言いながら論文を書いています。また良い意味で落ち込むのは、非常に綺麗なデザインの論文を読んだときです。
学部3年の時に始めたボランティアで出会ったASD児(N君)です。出会った当時小学5年生でしたが、そこから現在まで交流があります。一人のASD児が児童期から思春期、青年期と発達段階を経てどのように成長していくのかを身近で感じることができました。また、博士論文のテーマであるASD児の欺きについて研究をしようと思ったきっかけもN君でした。
大学院時代の最大の強みは胸を張って失敗ができるということだと思っています。自分のやりたいことをやりたいだけ突き詰める時間がたっぷりと取れる最後のチャンスだと思うので、いろいろなことに挑戦してもらいたいと思います。
私が所属していた研究室では、自閉症児の療育活動を行っていた関係で、大学生活の中心はその療育活動でした。子どもの様子から関わり方を考えたり、活動内容を考えたりといった実践的な経験を積ませてもらいました。記録の整理や活動に使うものを工作しなければならない都合上、大学に寝泊りするために寝袋や毛布を持ち込む方々もいらっしゃいました。横になって寝るより敢えて寝にくい体勢で寝たほうが倍以上の睡眠効果(体感)が得られることを発見したのもこの頃だったと思います。
大学以外では、バスケをしたり、お酒を飲みすぎたりしていました。また、中国語と確率の勉強が同時にできるゲームにハマり、1から9までは中国語で数えられるようになりました。
私の尊敬する先生は、研究は他流試合をしないとブレイクスルーは生まれないとおっしゃっていました。学会も他流試合になることがありますが、学際連携は他流試合の最たるものだと思っていますので、この環境を生かしてたくさんやっていきたいと思います。
社会認知や知的能力の発達とその神経基盤についての研究を進めていきたいと考えています。
○開一夫・長谷川寿一(2009)ソーシャルブレインズ東京大学出版
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