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大学院人間環境学研究院

Faculty information

教員情報
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江口 潔教授Kiyoshi Eguchi

専攻 教育システム専攻
部門 教育学
コース 修士: 現代教育実践システム 総合人間形成システム
博士: 教育学
講座 教育社会計画学講座
九州大学研究者
データベース
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K007017/index.html

研究内容

研究テーマ設定の背景

具体的な内容については、研究論文をご覧いただければと思いますが、おおまかに言えば、あまり他の人が注目していないけど、自分は面白そうだと思う対象があることです。今振り返ると、最初は漠然とした問いくらいしか思いついていなかったのですが、調べていくうちに、問題が細分化されて、課題かもしれないことが見えてくるようになりました。

 

研究手法

歴史的なアプローチをとります。テーマに関連する資料をかたっぱしから読んで、課題をしぼりこんでいきます。対象となる機関や人物に関係するところに調査に行き、対象を掘り下げることができるものを探していきます。文献を読むことはとても大事ですが、人づてで資料を見させていただくことも少なくないので、人と話ができることも大事です。

 

調査対象や調査地についての解説

人物を取り上げていた際には、その人物と関係のある大学や研究所を訪問したり、関係者に会っていただく、ということをしていました。その後、百貨店を対象にした際には、史料を見せていただける企業さんや、その資料館などにうかがいました。もちろん、様々な資料を調査するために、図書館や公文書館などにもうかがいます。

 

分析のためのソフトウェアやツール

ワードではなくて、一太郎というソフトをいまだに使います。また、最近は史料を撮影する際に、自動でピントをあわせて、パソコンに撮影した画像をとりこめる機材を重宝しています。(被接触型のスキャナーのようなもの)

 

研究についてのこだわり

感覚的にあう研究者が読み手になることを想定して研究を組み立てます。感覚的にあうというのは、何も文句の一つも言わずに受容してくれるということではなく、その人だったら、こういう点がまだまだだと指摘するだろうな、ということに面白さが感じられる、とでもいったらよいでしょうか。そうした人の視点を自身に内在化させて、OKが出るかどうか。ただ、完璧ではなくて、えいや!で出してしまうことも時には大事だと思っています。

 

研究生活で最もわくわくしたこと、逆に最も落ち込んだこと

最もというのは難しいですが、わくわくするのは、たくさん史料のある、大学図書館、公立の図書館、公文書館、企業の資料館などで、資料を探している時です。最近はあまりわくわくする時間をとれないのが、残念なところです。

 

落ち込んだ、というより、慣れるべきこととして、調査の際に思っていたような史料がなかった、ということがあります。これは成果がなかったのではなく、そこにはそれほど史料がないということがわかった、という成果があったことを大事にしたいところです。

 

研究生活で出会った印象的な人物やエピソード

師匠です。今でも、研究の基準となっています。たぶん、これからもそうでしょう。

 

大学院生へのメッセージ

何よりも、研究を好きでやっているということが大事だと思います。生活する上では、それに付随して、それだけでいかないこともたくさんありますが、まずは、それが好きでなくてはいけないかと。

 

あとは、将来同僚になると考えた場合に、物の言い方を身につけておいてほしいという希望と感情のコントロールはできるようにしてほしいという願望があります。

 

大学院生の時何をしていたか

書庫にいました。今でも書庫のにおいは好きです。もちろん、研究を続けるための生活費を確保しないといけないので、塾などでアルバイトはやっていました。息抜きはお酒を飲むことくらいでしょうか。就職した人たちと金銭感覚がずれていくので、うちで飲むくらいしかできないですよね。今は、そんなに飲めません。

 

学際連携についての思い

自身の研究においても、百貨店の研究では、経済学、経営学の成果から学ばせていただくことは少なくありませんし、教育測定の研究では、心理学や人文系の学問領域の成果から学ばせていただきました。教育学という分野そのものが学際的な性格を有している学問ですので、学際連携というのはごく自然なことと思います。

 

今後の研究・実践活動について

これまでと同様に職業的リテラシーを検討していきますが、それに加えてメディアと教育の関係や、AIなどの技術革新と教育との関係についても調べていきたいと考えています。

 

おすすめの文献

○岩下誠ほか『問いからはじめる教育史』有斐閣、2020年

○小熊英二『日本社会のしくみ』講談社現代新書、2019年

○福島真人『暗黙知の解剖』金子書房、2001年

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