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大学院人間環境学研究院

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教員情報
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田北 雅裕講師Masahiro Takita

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専攻 教育システム専攻
部門 教育学
コース 修士: 現代教育実践システム
博士:
講座 教育社会計画学講座
九州大学研究者
データベース
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K003446/index.html
個人サイト https://trivia.gr.jp

研究内容

研究テーマ設定の背景

高校時代はよく「橋の下」で時間を過ごしていて、その場が自分にとってかけがえのない大切な場になっていきました。その経験から、誰かが大切に思える場を作りたい・デザインしたいと思うようになりました。学部時代は土木の分野から景観工学を学びましたが、デザインの勉強ができず、大学院ではランドスケープデザインの分野に進みました。そのうち、同じ風景をデザインする際に、様々な分野からそれぞれの哲学が主張されることに疑問を感じ始め、自身の専門性を限りなく持たずに、そこに住む人々(当事者)や現場から立ち上がってくる状況に合わせて、プロジェクトや研究に取り組みたいと思うようになりました。次第に、子どもの福祉の領域に関心を持つようになり、現在は、主に子ども家庭福祉の領域の課題を乗り越えていくためにコミュニケーション・デザインを活用していく研究・実践に取り組んでいます。

 

研究手法

確固たる手法は持っていません。課題の文脈に合わせながら、状況にふさわしい手法をその都度採用しています。

 

調査対象や調査地についての解説

出会った地域やコミュニティと長く付き合いながら、研究・調査に取り組んでいます。

 

分析のためのソフトウェアやツール

特にありません。

 

研究についてのこだわり

まちづくりを「社会的に孤立している人や事象を、まち(地域)という中間領域にひらき、支えること。また、居合わせた人たちと共に、日々の暮らしの課題を乗り越え、次の世代に希望をつないでいく実践」と定義し、実践・研究に取り組んでいます。あいまいであるからこそ他者を包摂可能な「まち・地域」という広がりに関心を持ち続けています。

 

研究生活で最もわくわくしたこと、逆に最も落ち込んだこと

学部4年生の時、研究対象にしようと考えていた公園に「生命力がない」と感じたことがありました。なぜそう感じるのか、様々な本を読んで、考えに考え抜いたところ、ある朝、今まで読んだ本のフレーズやメモしていない部分が一気に思い起こされ、パズルのようにつながった瞬間があり、その時の感動を今でも覚えています。

 

研究生活で出会った印象的な人物やエピソード

院生時代に、とある広場を研究する機会がありました。データを収集するためにその地域に住む人たちに思い出をヒアリングしていったところ、あるおじいさんが感激しながら、ありがとうと言ってくれたことがありました。こちらとしては、データに使うために思い出を聞いたのに、その方は「聞いてくれたこと」自体に価値を感じてらっしゃることに気付きました。自分の認識と他者(当事者)の認識のズレを実感した出来事で、この経験が、現在のような研究やプロジェクトのスタンスを見出す大きなきっかけになりました。

 

大学院生へのメッセージ

西村佳哲さんの「自分の仕事をつくる」という本の中で「違和感を手放さない」というフレーズがあります。研究の文脈上だけでなく日頃の暮らしの中で「何かおかしい」と感じたり、もやもやしたものを感じたりする些細な気持ちをスルーせず、違和感を手放さずに自分らしさを咀嚼していってほしいと思います。

 

大学院生の時何をしていたか

中山間地域の温泉街に移住して、住民のひとりとしてまちづくりに取り組んでいました。また、個人でデザインの仕事を受けるようになり、様々なアートプロジェクトやデザインプロジェクトに取り組んでいました。

 

学際連携についての思い

形式だけでなく、さまざまな分野がつながることの必然性、つながっている実感が学際を進めていくうえで非常に重要だと感じています。

 

今後の研究・実践活動について

デザインが行き届いていない子どもの福祉や教育の現場で、デザインの思考や技術を使って課題を乗り越えていくための研究・実践に取り組んでいきます。

 

おすすめの文献

○パウロ・フレイレ「伝達か対話か―関係変革の教育学」亜紀書房

○西村佳哲「いま、地方で生きるということ」ミシマ社

○ミルトン・メイヤロフ「ケアの本質 生きることの意味」ゆみる出版

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