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大学院人間環境学研究院

Faculty information

教員情報
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黒木 俊秀教授Toshihide Kuroki

専攻 人間共生システム専攻 実践臨床心理学専攻
部門 人間科学
コース 修士: 臨床心理学指導・研究
博士: 臨床心理学指導・研究
講座 臨床心理学講座
九州大学研究者
データベース
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K001947/index.html

研究内容

研究テーマ設定の背景

元々精神科医として、病院臨床に長く従事していました。その中で、うつ病や発達障害など現代的な病態を多く経験して、支援にたずさわってきたことから、現在の研究テーマに関心を持つようになりました。

 

調査対象や調査地についての解説

主に病院になります。

 

研究についてのこだわり

臨床を離れての研究はありません。常にクライエントの役に立つことを考えながら、日々研究を行っています。

 

研究生活で最もわくわくしたこと、逆に最も落ち込んだこと

元々バイオロジカルな研究を専門としていたこともあり、「この発見は、今、世界でオレしか知らないんじゃないか!?」と思えるような実験結果が得られた時は興奮しました。あるいは、これまでの常識が崩れるような体験をしたときですね。この世界に生きていると、そういうことに稀に出会います。

 

逆に、10の実験をしてもポジティブな結果が出るのはせいぜい1つです。そういう意味では残り9つのネガティブデータには落ち込みますね。でもあきらめてはいけません。

 

研究生活で出会った印象的な人物やエピソード

高名な先生ですが、30代の終わり頃、中井久夫先生と平戸にドライブ旅行したことは忘れられません。車中、中井先生がおっしゃる言葉の一つ一つが自分の考えていることと重なって、「オレと同じことを考えている!」と思っていました。しかし、よくよく考えてみると、私の考えというのは、そもそも全て中井先生の本から教わったことでした(笑)。

 

大学院生へのメッセージ

大学院はスタートラインにすぎません。実際にはその後社会に出た時からが本当の臨床修練であり、その道のりは長いものです。ただ、今は仲間同士で支えあい、共に悩む時期だと思います。一つの事柄に対して一緒に考える、悩むという体験を積み重ねてください。カンファレンスも決して他人事のように構えるのではなく、自分のケースのように強い関心を持って参加することが大事です。その経験が社会に出てから役立ちます。

 

大学院生の時何をしていたか

私自身は大学院に進学したわけではありませんが、学位のための研究に集中した時期があって、その時代(1980年代後半)は動物実験ばかりしていました。夜中の12時~1時頃まで実験室で1人でずっとやっているんです。寂しいのでラジオや小さなテレビをつけて、当時、病床にあった昭和天皇の容態をNHKが番組終了間際に報じるのを聴くまで実験していました。そんな研究三昧の生活だったので、大変残念なことに、私はバブル期の繁栄を知りません(笑)。

 

学際連携についての思い

心理の分野においては特に大事なことだと思いますね。海外に行けば心理学はむしろ理系の色が強く、生物学的なことも習います。日本では臨床心理というとどちらかといえば文系の学問のように思われますが、発達障害や認知症など、心理学の分野においても脳機能のことを扱わざるを得ない時代です。幅広い視野を持って専門を深めてほしいですね。

 

今後の研究・実践活動について

我が国の医療分野において心理臨床の地位がさらに上がるような研究・実践を行っていきたいと思います。

 

おすすめの文献

○「うつ」の構造 神庭重信・内海健(編)

○現代うつ病の臨床 神庭重信・黒木俊秀

○医学部講義 神田橋條治

○発達障害の精神病理Ⅱ 内海健・清水光恵・鈴木國文

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