[報告]学びの主体性とトランジション 研究会「グループワークにおける学びの主体性と協働をめぐって —看護教育の文脈をもとに―」
Posted at:2025.11.14学びの主体性とトランジション 研究会
グループワークにおける学びの主体性と協働をめぐって―看護教育の文脈をもとに―
日時: 2025年10月2日(水)15:30 – 17:00
場所: イースト1号館E-A 302 心理学研究室
参加者: 10名(うち教員4名)
- 科学研究費助成事業「創造と探究を促進する社会的に共有された調整プロセスの解明」(研究代表者:九州大学 伊藤崇達)の研究会を兼ねて実施した
川崎市立看護大学の岩屋裕美先生より、「看護学生の自己調整学習と協働学習中の社会的相互作用」に関する研究をご紹介いただいた。当該研究では、協働学習の動画データから作成した発話プロトコルをコーディングし、自己調整学習(SRL)と、共調整学習(CoRL)・社会的に共有された調整学習(SSRL)の生成状況・過程、相互の関係を分析している。この結果、協働学習を通じてSRLやパフォーマンスが高まることが示唆された。また、看護教育の実践例としてプロセスレコードを提示し、コミュニケーションの振り返りを通して自己理解を深めることが、自己一致を促し、対話をより豊かなものにすることを示した。このように協働学習のプロセスに価値を置くことが、高校・大学での教育展開や、職場での人材開発に繋がるとした。
当該研究は、混合研究法を用いた緻密な研究である点が高評であり、リーダー性の介入による影響や、主体的な学びや協働の基盤となる自己理解・自己一致をめぐる議論があった。
看護職では、プリセプター制度や集合研修など協働的な学びが多く、経験の共有を通じて成長する。当該研究においては、支配的リーダーがいる場合にCoRLが高くなる傾向が示されたことからも、看護師長などのリーダーの役割は重要であり、チームを俯瞰し、適切な学びの場を作ることが求められるとした。
また、教育実践に用いられる「シナリオ作り」に「自己一致」の概念を組み合わせるアイディアや、看護現場でのカンファレンスを通じた人材育成など、学びの深化と展開の可能性についても議論され、高校・大学・職場における協働的な学びの重要性が共有された。