私たちの生活の舞台である家庭、学校、地域社会等に生じているさまざまな課題に向き合うことにより、異質な文化や背景を持つ諸個人がぶつかりあいながら、すべての人間が共に生き、互いに個性を伸ばし合える真に豊かな共生社会に向けての支援システムを作り出すための教育研究を行う。 高度福祉社会の実現に向けて、現実の諸問題への対応能力をもつ高度専門職業人やその指導者、研究者を養成する。 本専攻には以下の2つの履修コースがある。
共生社会学コースは、現代のような複雑で多様・多元的な世界社会において、多民族・多文化や異文化が共存・共生しあえる社会のあり方を探求する学際的な研究コースです。社会学・福祉社会学、比較宗教学、文化人類学などの方法論を応用しながら現地調査にもとづいて研究していくのが共生社会学です。具体的には、文献研究だけではなく、国内外での多彩なフィールドワークや参与観察、アンケート調査、そして統計データの計量分析などといった社会科学的な方法論を適宜採用し、異質な文化や社会のあり方を、社会内在的に理解・把握し共生社会のあり方を研究するというもので、新たな実践的研究方法論も編み出しつつあります。
本コースの目標は、社会科学的な調査手法(量的な社会構造や社会実態の把握)および質的な社会理解の方法を学び、たんに文献資料からのみ社会を理解するのでなく、インタビューや社会参加による内側からの社会理解などの手法を取得します。そして得られた社会理解や把握を、現代社会の共生のあり方へと実践的に応用していく政策的・理論的な成果があげられるよう研究指導を行います。また、本コースは社会調査士や専門社会調査士の資格取得も可能なコースです。
臨床心理学指導・研究コースでは、現代人の心理的不適応の増大、いじめや不登校、障害児・者や高齢者との共生や支援等の問題に対して、臨床心理学の知識・技法を習得するとともに援助活動の経験を積むことにより、実践的に解決する能力を備え、かつ、その問題について総合的に研究することのできる、高度専門職業人や臨床心理学研究者を養成することを教育目標としています。臨床心理学の専門知識の習得と研究能力の育成のための指導を行うとともに、援助活動の基礎となる実習経験における発達相談、心理相談の実務経験を積むことで、専門的な理解と研究能力と臨床実践能力を養います。さらに、本コースは歴史と伝統を踏まえ、心理学の知識や心理学的技法に基づき、人格および行動の変容と人間の生涯にわたる発達や適応の促進を援助するためのカリキュラムを設けている臨床心理士資格のための第1種指定大学院です。
また、実習では、医療・保健、福祉、教育といった臨床心理の三大領域での学外実習を総合的に体験できるよう、実践的な活動を行う学外施設を確保しております。そのため、現場での実務経験豊かな内外の指導者と連携しながら、本領域の指導的立場を担う研究者の養成に向け科学的で実践的な教育を行うことが可能となっております。さらには、学府附属の臨床施設である附属総合臨床心理センターにおいて、国際的にも評価の高いスタッフの指導のもと、心理教育相談室、子ども発達相談部門、生涯発達相談部門を設けて、多様な心の相談や、子どもの心身を支えてその心理の深い理解とともに発達相談援助活動を実施し、同時に学生たちの学内実習の場となっております。
井上 智史講師Satoshi Inoue
佐々木 玲仁准教授Reiji Sasaki
古賀 聡准教授Satoshi Koga
小澤 永治准教授Eiji Ozawa
山下 亜紀子准教授Akiko Yamashita
松下 智子准教授Tomoko Matsushita
田中 真理教授Mari Tanaka
福盛 英明教授Hideaki Fukumori
遠矢 浩一教授Kouichi Tooya
野村 れいか講師Reika Nomura
金子 周平准教授Shuhei Kaneko
飯嶋 秀治教授Shuuji Iijima
高橋 沙奈美講師Sanami Takahashi
高野 和良教授Kazuyoshi Takano