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大学院人間環境学研究院

Faculty information

教員情報
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中村 知靖教授Tomoyasu Nakamura

専攻 行動システム専攻
部門 人間科学
コース 修士:
博士: 心理学
講座 心理学講座
九州大学研究者
データベース
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K000026/index.html  http://www.psycho.hes.kyushu-u.ac.jp

研究内容

研究テーマ設定の背景

現在のテーマの多くは科学研究費補助金の共同研究に誘われたことがきっかけです。その中で私の研究は、結果の知見の精度を高める役割を担っています。また、学生時代からデータ解析が好きで、多変量解析から興味深い結果が得られることに感動し統計的方法に関心を持ちました。

 

研究手法

アンケート調査を行い、得られたデータを分析して、仮説通りであるかを確かめます。あるいは、シミュレーションを用いて人工的にデータを発生させ、自分の考えた方法が正しいか検討します。

 

調査対象についての解説

幼児から中学生、大学生、比較的若い社会人の方まで、幅広い年齢層を対象にして、調査を行なっています。

 

分析のためのソフトウェアやツール

汎用的なものとしてはSAS(統計分析システム)を使っています。他に、項目反応理論にはBILOG-MGを、構造方程式モデリングにはMplusを使用しています。

 

研究についてのこだわり

「よい結果がすぐに出なくても諦めずに地道にこつこつと努力する」ことです。

 

研究生活で最もわくわくしたこと、逆に最も落ち込んだこと

研究でわくわくするのは、困難な問題を解決できたときです。例えばコンピュータでプログラムを書いて計算するとき、プログラムがうまくいかずに研究が進まないときがあります。そういうときに、ほんのちょっとしたきっかけで、今までわからなかったことが急に見えてきて、問題を解決できたときは嬉しいです。

 

落ち込んだのは、助手をしているとき、上司の先生に研究がつまらないと言われたことですね。確かに、新しさに欠けると感じていましたが、面と向かって言われたのでショックでした。

 

研究生活で出会った印象的な人物やエピソード

現在研究している計量心理学を学ぶきっかけになったのが、学部生のときに出会った計量心理学のお二人の先生でした。お二人とも有名な方で、なおかつとても個性的な先生でした。この先生方がいらっしゃったから、今の自分があります。先生方とは今でも交流があります。まだお二人とも研究をなさっていて、研究内容について相談の電話やメールをいただいたりします。

 

大学院生へのメッセージ

自分に自信をもってください。他人をうらやんだり比較したりせず、自分の決めた目標に向かって、地道にこつこつと頑張ってください。研究に近道はありません。

 

大学院生の時何をしていたか

大学院では、項目反応理論のパラメータ推定法など、理論的な研究を主にしていました。また研究の他に、基礎学力をつけるためによく勉強会に参加し、アメリカや日本の大学のテキストを読んで勉強していました。

 

勉強と合わせてよくテニスをしていましたね。テニスの好きな先生が多くて、勉強会の後にも先生を交えてテニスをしていました。

 

その他に、学費を稼ぐために心理テストの会社でアルバイトをしていました。その会社の調査部門でアンケート調査のデータ解析をしたり、プログラムを組んで会社のシステムを作ったりしました。

 

学際連携についての思い

研究会では色々な方の意見が聞けるので、よい刺激になります。文系と理系の人が一緒になってプロジェクトに取り組むのですが、やはり文系と理系とは考え方が違います。例えば文系は真理の追究、理系は世の中への貢献といったように重要だと思っている点も異なるので、一緒に進めていくのは簡単なことではありません。学際連携は、お互いが対等な関係で進めていかなければならないので、コミュニケーションが重要だと考えています。

 

私が現在参加しているプロジェクトは、身近なテーマということもあり、みなさんが広い価値観をお持ちなので、とても勉強になりますし参加していて楽しいです。

 

今後の研究・実践活動について

現在は縦断データの分析に一番関心があります。現在進めている研究としては、幼児のコミュニケーション能力の発達をみるために、数ヶ月単位で同じ幼児に様々なテストを実施しています。横断的研究では明らかにできなかったことを明らかにするために、より詳細な研究を重ねていきたいと考えています。また、縦断データの解析方法そのものにも、まだ改善の余地があると思うので、そこについても理論的な貢献ができればと思っています。

 

おすすめの文献

○『統計でウソをつく法』ダレル・ハフ著、高木秀玄訳、ブルーバックス

○『コミュニケーション力』斎藤孝著、岩波新書

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