古賀 靖子准教授Yasuko Koga
専攻 | 空間システム専攻 |
---|---|
部門 | 都市・建築学 |
コース |
修士:
建築環境学 博士: 空間システム |
講座 | 計画環境系講座 |
九州大学研究者 データベース |
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K001290/index.html |
いつも、未来を創造する仕事をしたいと考えている。知的好奇心という意味では、「ファインマンさん最後の授業」の帯に書かれているエピソードが私は好きだ。「なぜデカルトは虹を研究したと思う?虹を美しいと思ったからだよ。」
文献調査、実測調査、模型実験、主観評価実験、シミュレーションなど。
まずは大枠で捉えることを基本としている。
うまく行きそうな時ほど、気を引き締めなければと思うので、わくわくすることはない。
うまく行かない時ほど、負けん気が湧くので、落ち込むこともない。大体、うまく行きそうにない時は、その状況に気づくので、落ち込みそうになる前に、その時は次のステップへ向かって力を蓄える時期なんだと思って、新しい勉強を始める。疲れているかもと思ったら、取り敢えず休む。
2001年に、在外研究でフランス・リヨンにある研究所に滞在していた。そこの副所長(当時)は、ルーブル美術館の新しいモナ・リザ展示室の照明計画を担当していた。ちょうど報道関係者への新展示室のお披露目があり、日本のテレビ局も来るから(日本テレビが、メセナ活動としてモナ・リザ展示室の新設を後援していた)と、私をパリへ連れて行ってくれた。休館日で観光客が誰もいない静かなルーブル美術館のギャラリーに、ただ1人立つのは、とても不思議な感じがした。
ところで、その副所長は、弁舌鮮やかで、いつも人の輪の中心になるような人だ。彼の冗談にエスプリのきいた応答ができないと、冷ややかな視線が返ってくるので、彼と話す時は緊張した。ボケとツッコミは重要である。私の教授はうまかった。私は未だに上手に返せない。
何かしら動いていると、好機は向こうからやって来る。
工学部1年の時ドイツ研修旅行に参加したのをきっかけに、その後よく旅行した。ドイツ研修旅行では、引率のMichel先生、九州芸術工科大学(当時)の大学院生、九大の他学部の学生などから沢山の刺激を受けた。当時、ドイツは東西に分かれていたが、東側の町を訪れて、東側の学生と交流する行事も設けられていた。東ベルリンへの訪問は、強く記憶に残っている。この研修旅行の意義は、すごく大きかったと思う。
それで、大学院に入ったら、ヨーロッパの建築を見て回ろうと思っていた。修士1年の夏休みに、バックパックでアメリカ、西ドイツ、スイス、イタリアを回った。旅行中に撮った建築写真の一部を、建築歴史・意匠研究室の教授が、西洋建築に関する書籍の改訂版に使ってくださった。とても嬉しかった。
修士2年の時、私の教授が、ハンガリーで開催された欧州照明会議に連れて行ってくれた。この時も、ついでに西ドイツ、フランスの建築を見て回った。東側の壁が崩れようとしている時期だった。西ドイツ・パッサウの駅に着いた時、東側から移動してきた多くの人が、西側へ入る手続きのために列をなしていたのを覚えている。
建築歴史・意匠研究室の調査に志願して、古いお寺の実測調査を手伝った。沢山の蚊が襲ってきて、目の中にも入りそうだった。調査に参加した九大建築OBから実測調査の手法を習い、良い経験になった。
うまく行かせる鍵は、win-win-winの状況にすること。
今更ながら、中3の時クラス担任だった先生の大切にしていた言葉の意味がよくわかる。「継続は力なり」
文献ではないが、印象に残っている本:
○村松秀:論文捏造、中公新書ラクレ
○春日真人:100年の難問はなぜ解けたのか - 天才数学者の光と影、日本放送出版協会
○C.サイクス:ファインマンさんは超天才、岩波書店
○R.P.ファインマン:ご冗談でしょう、ファインマンさん(上下)、岩波現代文庫
○萩原清文、多田富雄:好きになる免疫学、講談社