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大学院人間環境学研究院

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教員情報
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坂井 猛教授Takeru Sakai

専攻 都市共生デザイン専攻
部門 (キャンパス計画室)
コース 修士: アーバンデザイン学
博士: 都市共生デザイン
講座
九州大学研究者
データベース
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K001325/index.html  http://suisin.jimu.kyushu-u.ac.jp/itoshi/03/index.html

研究内容

研究テーマ

○都市と大学キャンパスの環境

国際化、高齢化、情報化などの社会構造の変化に対応する持続可能な都市を構築するため、大学は、都市のインフラとして重要な位置にあります。都市と大学が連携することによって、社会の様々な課題にこたえること、また、それにふさわしいキャンパス環境を整備することを課題としています。都市の再生、マスタープランの構成、自然系と人工系がつくりだす景域の基準、大学キャンパスを核とする都市の景観、交流空間、都市と大学キャンパス空間の構成、及び国際比較等を行っています。

 

○都市の交流環境

近年の生活スタイルの変化に対応する交流環境像を明らかにすることを目的として、実態把握手法および空間評価手法の確立、大学キャンパスや駅前広場を対象とした空間構成、国際比較による各々の特徴を明らかにします。

 

○都市景観

さまざまな環境要素が複合した結果としての「見える環境」である景観、風景の構成をテーマとして、景観の構成方法を明らかにすること、それを見る視点場を発見することから始めました。近年は、景観行政団体の策定手法、誘導手法の解明が課題です。

 

○アジアの都市環境

マネジメントアジア諸都市における環境の実態を明らかにすること、その形成に関わるマネジメント手法を明らかにすることが研究課題です。その一部として、糸島半島を事例とした都市構造の可視化に取り組んでいます。

 

研究手法、分析のためのソフトウェアやツール

○研究成果を得るために最適な方法を用います。グループで行う場合と個人で行う場合がありますが、ゼミレビューを定期的に実施し内容をブラッシュアップしています。

 

調査対象や調査地についての解説

○糸島半島をフィールドとして、産官学のメンバーによる半島空間研究会で都市構造の可視化に取り組んでいます。

 

○福岡市周辺都市圏の都市計画、都心部の計画、景観形成を支援しています。

 

○九州大学をはじめとするアジア諸国の大学キャンパスと都市のマネジメントに関する研究を行っています。

 

研究についてのこだわり

○将来、自身の関わった研究の成果が都市空間で実際どのように使えるのかを想定してほしいと思います。基本は自分で汗をかいてデータをつくることをこころがけてほしい。

 

研究生活で最もわくわくしたこと、逆に最も落ち込んだこと

○想定を越える成果をだす学生に最もわくわくします。キャンパスや学術研究都市の計画、自治体の都市計画、都市景観や建築の審査、個別空間の計画、設計もわくわくする要素です。

 

○何ごとにも努めて落ち込まないようにしています。

 

研究生活で出会った印象的な人物やエピソード

○師事した光吉健次名誉教授、萩島哲名誉教授から、研究室及び就職先の綜合建築設計研究所で、都市研究と計画、設計を学びました。光吉先生は「くちで設計はできないよ」と、還暦を過ぎてもご自分で模型までつくられていました。萩島先生からは「苦労はかってでもしなさい」と学生を厳しく指導され、都市解析をはじめとする多くの研究成果を生み出し、退職後も都市景観に関する数々の著作を出されています。フィールドにおいて実務を重視し汗をかくおふたりの姿勢は、ずっと体の中に残り続けています。

 

○キャンパス計画では、出口敦先生をはじめ学内外の多くの方と検討を重ね、完成まで渡邉定夫・東京大学名誉教授に指導を受け、専門家と課題を一つ一つ詰めて実現に結びつけたことが、本学の都市計画学会計画設計賞、土木学会賞環境賞等の受賞に結びつきました。

 

○移転事業では、ペリ、三菱、三島、ササキ、NTT、日建設計、日本設計、黒川、内藤、石本、梓、大建、徳岡、櫂、GATap等の設計事務所、コンサル、ゼネコン各社、そして学内委員、施設部との作業は、建築だけでも難問山積でしたが、なんとか完成することができました。さらに10年以上の歳月を必要とする糸島の学術研究都市づくりが大きな課題です。

 

○九州経済連合会、JR、西鉄、UR、ドコモ、エリマネ団体、箱崎4校区、西部7校区、元岡・桑原町内会、行政との日頃の繋がりは、都市を考えるうえで貴重な経験であり財産です。それぞれ、特定のプロジェクトで議論し協力しあっています。

 

大学院生へのメッセージ

○大学院生活で悔いが残らないよう、精力的に何でもこなしてほしいと思います。スキルを常に磨く癖、視野を広げる癖、深く考える癖、は是非大学院のときに身につけてほしい。

 

大学院生の時何をしていたか

○日本建築学会大会と支部研究報告会に定期発表し、学会や建設省主催の設計コンペに参加していました。大貝彰助手が先導する夕刻の研究室主催ソフトボールとその後の飲み会、そして夏の九重登山は必須でした。パソコンがまだオタクの持ち物であり、ワードプロセッサOASYSが研究室でようやく1台導入された時期、修論では箱崎の大型計算機センターに通い続けました。

 

学際連携についての思い

○キャンパス計画は、人間環境、生態、考古、地質、地盤、水循環、建築、芸工、システム情報、農学等の多分野の学際連携実践の場でもあり多くの専門家に関わって頂き、多様な考え方を学び、体験しました。

 

○ほかの分野がどんなことをしているのか、関心を持ちましょう。建築・都市計画は、考え方の異なる他の分野を繋いでまわる能力が欠かせません。

 

今後の研究・実践活動について

○大学院生で構成するプロジェクト主体の研究室です。

 

○福岡・九州で、都市デザイン・まちづくりの実践をしたい人、考えたい人を歓迎します。

 

○誰も知らないこと、わからない課題に取り組み、人類に貢献できる成果を生み出せるようになりましょう。

 

主な著書

○アジアゲートェイとしてのFUKUOKA, 西日本シティ銀行編, 2016

○景観計画の実践―事例から見た効果的な運用のポイント, 日本建築学会編, 2017

○都市と大学のデザイン, 九州大学キャンパス計画室編, 2019

○Sustainable Design Camp as Part of the Urban Thinkers Campus, 2020

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