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大学院人間環境学研究院

Faculty information

教員情報
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増田 健太郎教授Kentarou Masuda

専攻 人間共生システム専攻 実践臨床心理学専攻
部門 人間科学
コース 修士: 臨床心理学指導・研究
博士: 臨床心理学指導・研究
講座 臨床心理学講座
九州大学研究者
データベース
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K002697/index.html

研究テーマ

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研究内容

研究テーマ設定の背景

①近年、学校現場において「いじめ」「不登校」そして「保護者クレーム」の問題が喫緊の問題となっています。このような問題について、臨床心理士が取り組むべき課題であると捉えています。これらはバラバラの問題ではなく、互いに連関のあるものであり、学校組織文化そのものの問題であると考えています。ここに臨床心理学的アプローチができないかと探索しているところです。

②学校教員の休職者の増加が問題視されています。その中には、疲労の高まりからうつ的な精神症状を訴える人が少なくありません。このような学校環境では、子どもに悪い影響を与えかねないでしょう。そこで、なぜ学校教員がそこまで追い詰められてしまうのか、探求する必要を感じています。また、職場ストレスの問題は学校現場に限りません。企業や役所等でも、職員のメンタルの問題への取り組みが必要となってきました。研修やコンサルテーションを通して、組織全体でメンタルの問題の予防と事後のフォローに取り組むことが必要だと考えています。対人援助職(医師・看護師・教師など)のバーンアウトとプロセスとその予防についても研究を行いました。面接調査・質問紙調査を行い、フィンランドやアメリカ等の海外研究も行い、バーンアウトプロセスの解明と予防について、プロジェクト・チームで研究を行いました。

③不妊治療を受ける夫婦が増加しています。不妊治療は身体的・経済的にコストがかかり、心理的負担は大きなものがあります。不妊カウンセリングの方法や特別養子縁組や里親との関係の研究を行っています。

④九州工業大学と共同で研究を行いました。子どもの遊びがゲーム的・バーチャル的になってきて、自然との繋がりが薄れてしまっています。そこで学校にビオトープを造り、子どもが自然の中で遊び、自然と関係を結んでいく過程について考察を行いました。

 

研究手法

実践的なアクションリサーチが主です。問題とその背景について調査し、関係各所と共に改善策を協議し、実践に移します。そして、その効果を確かめた後、再び改善策を講じて、より効果的なアプローチの探索を行っています。

 

調査対象や調査地についての解説

対象は、学校は小学校と中学校です。最近では特別支援学校にも範囲を広げて考えています。不妊カウンセリングに関しては、実際に不妊カウンセリングを行うとともに、医療機関や患者の調査を行っています。オーストラリアでの不妊カウンセリングの研究や発達障害児の支援を行っています。

 

研究についてのこだわり

「研究のための研究」にしないことが一番のこだわりです。臨床的な効果がある具体的なツールや方法を追求することを心がけています。

 

研究生活で最もわくわくしたこと、逆に最も落ち込んだこと

わくわくしたことは、フィンランドで教員の家にホームステイをしながら、オウル大学や小中学生に授業を行ったことです。学ぶ意欲の高さに驚かされました。落ち込んだことは、調査を依頼した際にこちらの意図や想いが理解してもらえず、断られてしまったことです。なかなか難しいポイントではあります。

 

研究生活で出会った印象的な人物やエピソード

ノルウェーのテレマーク工科大学で出会ったインガン先生です。自然教育をテーマに研究されている方なのですが、子どもたちの行動を科学的な手法で分析されており、大変感心しました。具体的には、子どもたちが自然の中でどんな遊びをし、どんな会話をしているか、全てビデオで記録に取り、こころの内面や相互的な関係を抽出して研究しておられました。

 

大学院生へのメッセージ

もっと骨太に!(笑)自分の研究対象・研究テーマをもっと好きになってください。そして、そのオリジナリティを失わないよう、大切に育んでもらいたいです。

 

大学院生の時何をしていたか

とにかく沢山の本を読んでいました。そして現場に出ての調査に明け暮れていました。学校関係者について回って逐語に起こし、先行研究と照らし合わせて考察する、といったことをしていました。

 

学際連携についての思い

私は臨床心理学・教育経営学・環境教育を中心に、最近は不妊カウンセリングも行っていますが、どこかに通底するものがあります。それは「人間」「環境」でしょう。本質論を考えていくと、どこかに繋がりが見えてきて、次の研究テーマが見えてくると思います。

 

今後の研究・実践活動について

バーンアウトを予防する教育やシステムの構築と、不妊カウンセリングの実証的研究と不妊・妊娠教育のプログラムの制作です。

 

おすすめの文献

○外山滋比古「知的創造のヒント」
○マイケル・サンデル「これから正義の話をしよう」

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