實藤 和佳子准教授Wakako Sanefuji
専攻 | 行動システム専攻 |
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部門 | 人間科学 |
コース |
修士:
心理学 博士: 心理学 |
講座 | 心理学講座 |
九州大学研究者 データベース |
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K004900/index.html |
あるとき、じーっと何かを一心に見つめる赤ちゃんを見かけて、今この子はどんなことを考えているんだろうと関心をもちました。私はもともと赤ちゃんや子どもが大好きなこともあり、赤ちゃんや子どもが自分の周りの世界をどう理解しているのか知りたいなと思ったのが発達心理学を専攻しようと思ったきっかけです。大学入学後、ボランティア活動を通じて自閉症をもつ子ども達と色々な体験を共有させてもらったことから、発達の個人差と多様性についても視野に入れた研究をしたいと思いました。
乳幼児に直接会って、調べたいことをもとに設定した課題を実施したり、特定場面の観察をしたりして、その行動や反応を記録しています。発達検査を実施して、一人一人の乳幼児の特徴を把握することもあります。
産まれたばかりの赤ちゃん(新生児)から小学校に上がる前の子ども達を中心に調査をしていますが、小学生や中学生、養育者を対象にした調査を実施することもあります。
Excelでデータを整理・管理しながら、SPSSなどの統計ソフト等で分析しています。
一つの研究からは、ほんの少しの側面しか窺い知ることができません。それは一種の真実を反映していると思いますが、発達には個人差が大きいために、特に個別の発達支援を考える際は必ずしもこれまでの研究結果が活用できるとも限りません。研究結果は、厳密には、対象となった子ども達の縦軸(時間軸の中での発達的変化)と横軸(個人の要因+物理的・人的影響)が交差した限定的な事実を示したものである可能性を考慮に入れたうえで、発達臨床の場で応用を試みたり、次の研究を考えたりしています。
子ども達と過ごす時間はとてもわくわくします。分析結果から新たなことが分かったり、学会などで他の研究者との議論から新しい視点が拓けたりすることも楽しいです。一方、発達支援の現場で、私自身がこれまで得てきたものだけでは、目の前にいる子どもに対する効果的な支援について思いつかないとき、残念な気持ちがします。
学部・大学院での指導教官である大神英裕先生は、学生時代から研究や発達臨床をはじめとして多くのことを教わり、今現在も公私にわたり何でも相談させて頂いていて、今の私のベースとなっています。本学心理学講座の先生方も、学生時代から変わらぬ温かなご指導、ご助力を下さって大変感謝しております。
何も始めなければ何も得られません。結果として目の前のことがうまく進んでいるように見えなくても、たくさん考えたくさん動くことで拓かれる道があると思います。主体的に何かを追究し続ける姿勢と他の研究者との交流を通じて自分の課題を客観的に把握することは重要と感じています。
研究に打ち込み、調査で子ども達との時間を楽しんだり、他大学の先生や院生と知り合って色々なことを話したりしました。また、ケーキやパンを焼くのが好きで、たまに何かを作っては院生室で皆と食べたりしていました。
際連携は目的とされるべきものではなく、研究の進展と必要に応じて自然に発生するものだと思います。また、学際的に連携することでより深い研究をしていくためには、前提として、連携し合う研究者それぞれの専門性と独自性が確立されている必要があると思っています。
今の研究テーマに沿って、今後も継続して研究・実践していきたいと考えています。
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