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大学院人間環境学研究院

Faculty information

教員情報
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小澤 永治准教授Eiji Ozawa

専攻 人間共生システム専攻 実践臨床心理学専攻
部門 人間科学
コース 修士: 臨床心理学指導・研究
博士: 臨床心理学指導・研究
講座 臨床心理学講座
九州大学研究者
データベース
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K004590/index.html

研究内容

研究テーマ設定の背景

学部時代、授業やボランティア、アルバイト等で、発達的な偏りをもつ子どもたち、家庭環境が不安定な子どもたちと接する機会が多くありました。子どもらしくのびのびとした姿もたくさん見たのですが、様々なことで困難さを抱える場面にも多く出会い、何かしら専門的な手立てを学ぼうと思い、臨床心理学の道を選びました。

 

大学院に進学後、児童相談所や児童養護施設で心理職として働きながら、不安定な養育環境を経験した子どもたちと関わり、臨床心理学的な理解や支援のあり方について研究を続けています。

 

研究手法

実際の生活場面、あるいは心理臨床の場面で子どもたちと接する中で生じてくる疑問を、研究という公共性のある形で検証してゆくことを行なっています。

 

また、人間環境学府附属総合臨床心理センターや児童福祉施設において心理的援助を行いながら、よりよい援助活動のあり方について考えるための実践研究を行っています。

 

調査対象や調査地についての解説

基礎研究に関しては、学校に出向いて質問紙調査などを依頼しています。また、児童福祉施設に関係する団体と協働で、実態調査からの分析を行っています。児童福祉領域で働く心理職と協働で、子ども達の支援の効果についても考えています。

 

分析のためのソフトウェアやツール

統計的分析には、SPSSやRといったソフトウェアを用いています。他には、対象者から同意のもと、ビデオカメラや音声データなどの記録からの分析も行っています。

 

研究についてのこだわり

協力していただく方々の貴重な時間を頂いて行うものですので、直接的にでも間接的にでもメリットのある研究を行えるよう心がけています。

 

研究生活で最もわくわくしたこと、逆に最も落ち込んだこと

長年関わってきた子どもたちの成長を実感できる瞬間には、こちらも感動的な気持ちになります。逆に、子どもたちが示すさまざまな行動から、心を支援していくことの難しさや限界を実感する時もあります。その感動や無力感が研究を進めるベースになっているように思います。

 

研究生活で出会った印象的な人物やエピソード

学部の頃、ボランティア活動を通して最初に「研究者」として出会った先生は、かつて九大で教鞭を取られていた村田豊久先生です。子どもたちに熱意と愛情を持って、そして真剣に接しておられる姿は、今でもとても印象に残っています。

 

私自身もこの人間環境学府の出身ですが、たくさんの臨床心理学の先生方に手厚い指導を受けながら研究をすすめることができました。今現在でも教育や研究のことのみならず、日々の臨床実践のこと、プライベートなことまでなんでも相談させてもらっています。

 

大学院生へのメッセージ

大学生とは違い、また社会人とは違う微妙な立場であると思いますが、その分本当に自分がしたいことはなにか考え、自由に振る舞うことができる時期であると思います。学内の先生方や院生同士はもちろんですが、もっと幅広い人達と接する中で、自由な発想で研究を進めていってもらえればと思います。

 

大学院生の時何をしていたか

修士課程の頃は、わりと自由にできる時間も多く、自分の好きなペースで大学にきてやりたいようにやっていたと思います。博士後期課程に進学すると、心理職として学外の機関で働くことも多くなり、研究や学会の仕事などとの掛け持ちで、充実した時間を過ごしていたと思います。

 

学際連携についての思い

まず、自分の基本としている臨床心理学における研究を深めることを基礎として、それが分野を超えてどのように活かされうるか、発信しながら考えていきたいと思っています。

 

今後の研究・実践活動について

まだまだ研究者としても臨床家としても未熟者であり、これからも日々修行の毎日であると感じています。たくさんの学生の皆さんに刺激を受けながら、お互い学び合う事ができたらと思っています。

 

おすすめの文献

○村田豊久(2009)子どものこころの不思議、慶應義塾大学出版会
○内海新祐(2013)児童養護施設の心理臨床、日本評論社

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