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大学院人間環境学研究院

Faculty information

教員情報
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山田 政寛教授Masanori Yamada

専攻 教育システム専攻
部門 (データ駆動イノベーション推進本部)
コース 修士: 現代教育実践システム
博士: 教育学
講座
九州大学研究者
データベース
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K004898/index.html  http://mark-lab.net/

研究内容

研究テーマ設定の背景

対面授業でもグループ学習など協調的な授業形態が取り入れられるようになりましたが、授業外も含めた学習環境のデザインが必要になります。しかし、学習者が授業外でも効果的に協調学習をするためには、グループ内の分業を促進させ、グループの一体感を高めてあげるなど、単なるコミュニケーションではなく、コラボレーションを支援する必要性を感じました。そこで、SNS(例:Facebook, Google+)などCMC(コンピュータを介したコミュニケーション)での社会的存在感(目の前に相手がいるような感覚を意識させるもの)などの理論に基づいた学習支援環境のデザインをしています。

 

また、教育のあり方が変わっていく中で、学習環境デザインも変化します。育成すべき人材像に合わせて、適切な授業デザインや学習支援システム、そして、適切な学習環境が求められます。特に、図書館などのラーニングコモンズという学習空間が広がっています。そのため、対面の学習環境デザインや、デザインされた学習環境における学習形態に関する研究も進めています。

 

研究手法

協調学習 教育、学習の評価というのは大変難しいものです。そのため、多角的なデータを収集することが重要になります。教育工学は教育研究でも応用領域に当たることや、学際的な研究分野ですので、質問紙、テストなど量的な調査法以外にも、インタビュー、エスノグラフィー、M-GTAなどの質的研究法も使います。

 

調査対象や調査地についての解説

調査対象は主に大学生です。教育を受ける機会を積極的に求める人材の育成を目指しています。

 

分析のためのソフトウェアやツール

量的データを分析するときはSPSSやSTATAを使います。

 

研究についてのこだわり

実践・現場に役に立つことを目標としています。現実と自分のやりたいことをフィットさせながら構想を考えます。

 

研究生活で最もわくわくしたこと、逆に最も落ち込んだこと

落ち込んだことでは、今もですが、論文が落ちる時は落ち込みますね。ですが、査読者からのフィードバックや先輩の助けをもとに良い論文を書こうと自分を奮い立たせます。ワクワクしたことはデータ分析の時に意外な結果が見えたときとか、海外の研究者から論文が欲しいと言われた時とかうれしいですよね。

 

研究生活で出会った印象的な人物やエピソード

大学院に入る前に1回、企業に就職をしましたが、最初の職場の課長です。今で言う、YouTubeを発展させた動画像配信システムの研究をしていましたが、「動画を中心としたコミュニティをつくり、人々の生活は大きく変えよう!」とおっしゃってました。夢を見させてくれる人でした。今も学習コミュニティの研究をしているのは、課長やチームメンバーとの出会いが大きなきっかけになったのかもしれません。

 

大学院生へのメッセージ

「たこつぼのたこ」になってはいけません。つまり、自分の研究領域のみに閉じこまないで、様々な領域の研究知見にも触れ、自分の研究や実践に活かして欲しいと思います。教育工学では文理問わず、様々な研究領域の知見を活用するので、この姿勢と行動が強く求められます。また世界に飛び出て研究をしてほしいと思います。今や自分がやりたいと思う研究は世界中で自分よりも先に行われているような時代です。彼らとライバルとして同志として頑張ってほしいです。

 

大学院生の時何をしていたか

院生時代の研究室は厳しい場所でした。単位になるゼミ以外にも統計、認知心理学、英語などの自主ゼミ(最初は自主的ではないわけですが)に参加しなければなりませんでした。しかし、必ず将来に役に立つことなので、今もあの頃、学んだ内容は活きています。また修士の頃から国際会議の発表はほぼ義務だったのですが、回を重ねる度に楽しいものになりました。それ以外はバイトやゲーム、息抜きのフットサルなどもしていました。至って普通の院生でした。

 

学際連携についての思い

教育工学はまさに学際的な分野です。殻に閉じこもらないように、広い視野を持ち、さらに国際的なチャネルをもつべきだと思います。

 

今後の研究・実践活動について

生涯にわたって自分の成長を楽しめるような人材を育てるための学習支援システムのデザイン、開発、デザインを支える心理的要因(自己調整学習や社会的存在感、学業的自己概念など)に関する研究をしたいと思っています。

 

おすすめの文献

○赤堀侃司著(2002)『教育工学への招待-教育の問題解決への方法論』ジャストシステム

○波多野誼余夫・大浦容子・大島純編(2004)『学習科学』放送大学教育振興会

○山内祐平(2010)『デジタル教材の教育学』東京大学出版会

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