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大学院人間環境学研究院

Faculty information

教員情報
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山田 祐樹准教授Yuki Yamada

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専攻 行動システム専攻
部門 (基幹教育院)
コース 修士: 心理学
博士: 心理学
講座
九州大学研究者
データベース
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K005210/index.html
個人ホームページ https://sites.google.com/site/jyamadayuk/

研究テーマ

研究内容

研究テーマ設定の背景

私の究極目標は、われわれがこの世界を認識している仕組みを全て知ることでした。まあいきなりそれは厳しいよねということで、比較的まだ良く分かっていないテーマは何かなあと探してみて、ホットだったものが現在の研究テーマです。近年ではいろいろなおもしろ実験が可能になってきているので、いろいろやっています。

 

研究手法

基本的には実験参加者の方にパソコン画面を見てもらってぽちぽちボタン押しをしてもらいます。実験風景としては極めてつまらないように見えますが、それで明らかになることはとてもおもしろいです。われわれが直感的に「人間っていうのはこうだろ」と感じている事柄に明らかに反するような事実もいろいろ分かってきています。最近では質問紙調査や脳活動計測なども組み合わせて、心のソフト/ハードウェアをより総合的に調べています。

 

調査対象や調査地についての解説

基本的には人間の成人(といっても参加者募集の性質上、大学生・大学院生ばっかり)を対象としています。しかし一時期からはチンパンジー、犬、猫、鳥、イルカ、メダカなども対象とした研究に興味があります。いったん人間を遠くから眺めてみるのも大事かなあと思ったのが理由です。調査地は基本的に箱崎キャンパスの実験室ですが、対象によってはどこでもありですし、オンラインでのアンケート等を利用したりもします。調査のためのアプローチが縛られにくいのが心理学の強みと面白みの一つだと思っています。

 

研究についてのこだわり

特にありませんが、むしろこだわりをあえて無くし、できるだけニュートラルでいられることが…私のこだわりかもしれませんね()。あえて挙げるなら、専門家が「知的な意味で」思わず笑ってしまうような面白い研究がしたいです。

 

研究生活で最もわくわくしたこと、逆に最も落ち込んだこと

論文の査読結果のメールが届いた時はいつもわくわくします(大体そのあと落ち込むことになります)。あと学会や研究活動上、未体験のことに遭遇する機会が非常に多いので、そのたびに緊張し、焦り、不安になり、それを後で思い返すととても面白かったという感想につながります。強く落ち込むことは、自分が書いた論文が世に出た途端に苦言を呈されることです。これが出版後査読の利点でもあるのですが,心には来ますね。

大学院生へのメッセージ

孫子に「戦いは正をもって合し、奇をもって勝す」とあり、昔のカードダスでもアムロが「力には技、技には魔法、魔法には力だ」と言っていました。つまり、攻略対象に応じて正攻法と奇策を適切に使い分けることが大事です。そのためには両方の戦い方を修得しておく必要があります。たとえ他の院生から蔑まれようと馬鹿にされようと、自分の専門では決して主流ではない研究手法にも慣れ親しんでおくと、後々大きな利益を生むはずです。

 

大学院生の時何をしていたか

これは極めて危険な質問です。とりあえずまずは熱心に研究活動をしていました(ほんとです)。あとは、ほんの情報収集の意味でインターネットや、絵の多いタイプの書物を閲覧したり、動画鑑賞などを行ったりしていました。心理学実践の一環として四人制のテーブルゲームも頻繁に行いました。そして登山、自転車、フットサル、音楽制作、歌唱、キャンプ、犬猫触り、廃墟巡り、深夜徘徊等も適度に織り交ぜながら麺類を食べたりしていたら気がつくと8年も箱崎にいました。いろいろやっといて(多分)損はないものと信じます。

 

学際連携についての思い

上述したように未体験の事柄に多く出逢えるので非常に刺激的で面白いです。また同時に自分の研究を別の視点で眺めることにもつながります。ある意味での「文化」の全く異なる人々と共同作業を行うために困難も生じるかとは思いますが、自分の枠を広げ、柔らかくするためにはとても役に立っていると思っています。「麻雀は額縁を外す戦い」らしいですが、研究もそうだと思います。

 

今後の研究・実践活動について

正直言って自分が今後何をするのか自分でも予想がつかないのですが、感情研究は「嫌悪感」と「幸福感」にも広げていこうと考えています。これらは非常に日常的な感情なのですがまだその内部基盤がよく分かっていません。麻雀などにおける「ツキ」というのが何かも知りたいですね。私は心理現象だと思っています。とにかくしばらくは手当たり次第にいろいろやっていこうと思います。

 

おすすめの文献

○「脳のなかの幽霊」V.S.ラマチャンドラン、サンドラ・ブレイクスリー

○「Mind Hacks」Tom Stafford, Matt Webb

○「臨床心理士聖徳太一」香川まさひと

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