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大学院人間環境学研究院

Faculty information

教員情報
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斉藤 篤司教授Atsushi Saito

専攻 行動システム専攻
部門 人間科学
コース 修士: 健康・スポーツ科学
博士: 健康・スポーツ科学
講座 健康・スポーツ科学講座
九州大学研究者
データベース
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K000418/index.html

研究内容

研究テーマ設定の背景

生活習慣病を予防・改善するために至適な運動とは、という研究していました。しかし、「運動がからだによい」と説明しても誰も運動を始めないし持続できません。要するに、人は体に良いー悪いだけでは運動を行わないということです。そこで、最近は運動がからだにいいとか悪いとかではなく「人が運動したくなる場」の追求を最終目標にして研究に取り組んでいます。

 

研究手法

人と対象とした運動実験を行っています。

 

調査対象や調査地についての解説

調査対象:あくまでもヒト。

調査地:実験室から、ネパールの山村まで、ヒトがいるところならどこへでも。

 

分析のためのソフトウェアやツール

特殊な分析ツールは使用していません。分析ができるだけシンプルになるように研究計画を立てています。

 

研究についてのこだわり

良寛さんの嫌いなもの、「書家の書」「歌詠みの歌」「料理人の料理」、研究も然り。

 

研究生活で最もわくわくしたこと、逆に最も落ち込んだこと

わくわくすることは、自身で立てた仮説以上のことや、仮説とまったく逆の結果が出た時です。人間を対象としているので、全員が同じ変化を示さないことに面白みを感じます。また、インターネットがなかった時代、書いた論文のコピーがほしいと、遠い国から手紙が来たりするとうれしかったですね。落ち込むことは特にありませんが、あえて挙げるとするなら、これだけ面白い研究なのになんで研究費がつかないかな~、という落ち込みは毎度のこと。

 

研究生活で出会った印象的な人物やエピソード

印象に残っている人物は、やはり現在の生活に導いた?学部ゼミ〜大学院時代の指導教官です。いつも「炊事や洗い物が嫌いなら生化学はできない」と言っていたことを覚えています。私たちの研究室は実験食をつくり、食べさせ、血液や尿を採って測定するというところでした。とんでもない数の試験管が使われ(バケツ単位)、貧乏なので、それを洗って乾燥させて使うという作業を繰り返していました。正月は毎年、築地からブリ、スズキ、タイ等が丸ごと届き、実験室でさばいて食べたり、突然「鯉を食べよう」と言われ、生きた鯉を買いに行き、実験室で包丁を振るって、洗いや鯉こくまで作ってしまう行動力?のある面白い性格の持ち主でした。学会では一番前に座って、厳しい質問をする反面、学会に行ったら観光しろ、何しに来たんだといっては、自分も夜の街に消えてしまうような先生でした。この辺は私もまねてます。

 

大学院生へのメッセージ

大学の時は遊んでいたのだから、大学院でしっかり勉強しましょう。私も学部時代は部活(ラグビー)中心の生活を送っており、大学院に入ってやっと学生らしい生活になりました。特に、健康行動学コースの学生は体育会系が多いので、楽しく学んでみましょう。

 

大学院生の時何をしていたか

とにかく毎日大学に足を運び、1日中研究室にいました(何をしていたというわけでもなく)。当時はまだインターネットもなく、パソコンも計算のためだけにあり、ワープロは専用機の方が充実していたような時代です。ただ、(授業)→部活→寝るという生活に研究や勉強が加わったことは大きな変化で、この時代が今につながっているようです。

 

学際連携についての思い

人が動くということに全て関わる健康行動学は、それ自体が学際であると思います。教育、心理、建築、他の科目の学際連携を見ていると、いろいろな連携の仕方があって面白いと感じます。ただ、その面白さが学生に伝わっているかというと、ちょっと疑問かと。

 

今後の研究・実践活動について

運動に対し、生理的側面だけでなく、感情や行動科学の側面を加え「運動したくなるようなモデル(環境)づくり」を研究していきたいと思います。難しいかもしれませんが、「運動がしたくなるような仕掛け」を求めていきたいと思います。キーワードは「アフォーダンス(環境が動物に提供するもの)」です。

 

おすすめの文献

古人の跡を求めず、古人の求めたるところを求めよ(芭蕉)

○「巨人伝」津本 陽

○「インスリンの発見」マイケル ブリス

○「日本を愛した科学者―スタンレー・ベネットの生涯」加藤 恭子

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