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大学院人間環境学研究院

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教員情報
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末光 弘和准教授Hirokazu Suemitsu

専攻 空間システム専攻
部門 都市・建築学
コース 修士: 建築環境学
博士: 空間システム
講座 計画環境系講座
九州大学研究者
データベース
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K007467/index.html

研究テーマ

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研究内容

研究テーマ設定の背景

近年、デジタルテクノロジーがますます進化していく中で、これまで目に見えなかった、空気の流れや、熱の移動などが視覚化でき、それを元にデザインを行うことが可能になってきました。これらの進化するシミュレーション技術を使って、どんな建築デザインができるのか、に興味があり、研究テーマとしています。

 

研究手法

①シミュレーションによる建築・都市デザインの設計手法研究シミュレーションやプログラミングを使った、新しいデザインの研究をしています。環境・構造など様々な種類のシミュレーションを利用し、ビッグデータと連動させた建築や都市のデザインを行っています。更に、プログラミングと組み合わせることで、形状の最適化や複数のパラメーターの処理、プロトタイプ化など、現代的な課題をデザインによって解決する手法を研究しています。

 

②デジタル技術xアナログ技術による新しい建築素材・工法などの開発デジタル技術によるデザインを、地域の伝統的な技術や素材に応用し、新しい建築の素材開発を研究しています。例えば、環境シミュレーションの技術によって日射遮蔽を最適化したルーバーの形状を生成し、その3Dデータを元に金属型に起こし瓦を成形する等、古いアナログな技術と新しいデジタル技術を融合していくような研究を行います。

 

調査対象や調査地についての解説

九州は、日本の中でもアジアに一番近い立地のため、アジア的な蒸暑地域の気候に似ています。これまでの環境建築は、北部ヨーロッパなど寒冷地型が多かったので、九州やアジアを対象に調査し、アジア型の環境建築の可能性を探りたいと思っています。

 

分析のためのソフトウェアやツール

CFD(流体解析シミュレーション)や熱環境シミュレーションなど

 

研究についてのこだわり

これまで建築デザインは、設計者の感性や経験値を元に行うことが多かったが、これからの時代は、その技術だけでなく、エンジニアリングで得た数字やデータを元にデザインする技術が同時に必要になってくると思われます。そういった意味では、デザインとエンジニアリングを同時に考える研究を追求してみたいと思っています。

 

研究生活で最もわくわくしたこと、逆に最も落ち込んだこと

アジアの都市に行くと、ヨーロッパのコントロールされた都市や建築と違い、人が自然と一体になって生きていると感じられることがあります。道路の上でご飯作っていたり、高速道路に水牛が歩いていたり。こういう生きるエネルギーを感じるバナキュラーな空間と出会えた時に、生活のダイナミズムに心の底からワクワクします。一方で、近年、アジアの国々も経済成長とともに、欧米の文化が侵食し、そういうバナキュラーな文化がどんどんなくなっている姿を見るととても残念に思います。ヨーロッパの模倣ではなく、アジアの都市空間、アジアの建築スタイルのようなものが考えられればと考えています。

 

研究生活で出会った印象的な人物やエピソード

環境建築といっても、捉え方はそれぞれで、日本と、アジアの国々では全く違います。例えば、台湾で設計しているのは、樹齢100年のマンゴーの樹を残しながら建てるオフィスです。ただ、エネルギーの数値的な制御だけでなく、そこに生きた自然そのものと対峙しながら、共に生きて行くような建築を求められたのが、とても印象に残っています。

 

大学院生へのメッセージ

大学院の時間は、人生の中でもとても貴重な時間です。学部の時は基礎的な技術を身につけることに必死ですが、大学院では、社会に出ることを見据えながら、自分の能力や技術を伸ばすことができます。就職活動や資格を取るのも大事かもしれませんが、とにかく大学院の時代にしかできないことに時間を使って欲しいと思います。たくさん海外に行って、色んな建築を見るのもいいでしょうし、時間があるときにしかできないような技術を身につける体験をするのもいいと思います。

 

大学院生の時何をしていたか

大学院の時代には、よく海外に旅行に行っていました。たくさん建築を見て回ったのが今でも財産になっています。また、修士1年のときには、安藤忠雄さんに誘われて、安藤事務所に半年間インターンに行きました。とてもよくしていただいて、今でもその経験が血肉になっています。修士2年では修論を書きつつ、その後就職することになる伊東豊雄さんの事務所にアルバイトに行っていました。安藤さんと伊東さん、二人のトップアーキテクトに出会えて、そのそばで過ごせた時間は、その後の人生の大きな糧となりました。

 

学際連携についての思い

とにかく、今の大学の研究は専門分化しすぎていて、隣で何をやっているのかさえ見えないなという印象が強いです。人間環境学という「人間」とそれを取り巻く「環境」という括りの中で、もっと活発な研究の交流があったほうがよりクリエイティブになると思っています。

 

今後の研究・実践活動について

私は、大学の研究者でもあり、建築家でもあります。研究で理論を構築して、それを実社会で実装できる珍しい立場にあると思うので、それを実践していきたいと考えています。

 

おすすめの文献

○アースダイバー(中沢新一著)
○自然なきエコロジー(ティモシー・モートン著)
○伊東豊雄自選作品集 身体で建築を考える(伊東豊雄著)

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