末廣 香織教授Kaoru Suehiro
専攻 | 空間システム専攻 |
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部門 | 都市・建築学 |
コース |
修士:
建築計画学 博士: 空間システム |
講座 | 計画環境系講座 |
九州大学研究者 データベース |
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K002735/index.html http://suehirolab.arch.kyushu-u.ac.jp/ |
建築の現代的再利用については、日本は古い建築を文化財として保護をするか、それとも壊してしまうという風潮にあるがそうではなくて昔からある愛着のあるものを手を加えることでうまく残していきたいと考えています。そのように再利用をし、魅力的な建物を残していくことが社会や文化を守るということではないかと思っています。また、日本は近代化に伴って木造建築が軽視されてきていますが、日本で伝統的に作られてきていて、実は合理的に作られているものです。木造建築の研究は不十分な状態なので日本の伝統に照らし合わせてデザインを考え直していく必要があると考え研究を行っています。
研究というか自分の建築について言うと建築は相手があってのものだと思っていて、自分が満足したものができたと思っていても実際に使う人が満足しなければと思っています。自分が設計する建築が実際に社会にどう役立つか、またどうしたら人に喜んでもらえるかを常に考えながら設計をするように心がけています。そういう意味でも自身の建築には実際にすむ人がどう感じるかという人間的な視点を忘れないようにと思っています。
わくわくする時はやはり優れた建築を見た時。一番感動したのはル・コルビュジェが建築したラトゥーレットの修道院を見た時で、その精神性に感動しました。優れた建築を見るとやはり刺激になり、元気になるなあと思います。逆に落ち込むことはあまりないです。コンペがなくなったり、自分が設計した建物に不備があったりして落ち込むことはありますが、落ち込むというよりもそれからどうするかを考えてやっていくことが多いです。
建築家の伊東豊雄さんは一緒に仕事をしていてとても真面目な人で、建築にも人間的な視点を多く取り入れている人ですが、プライベートではカラオケに行ったら陽気に歌ったりととても楽しい人。建築についても他の様々な面でも楽しくなければだめだと思っている。その考え方はとても共感できます。
オランダに留学をし、考え方にもとても大きな影響を受けたのはオランダの建築家のヘルマン・ヘルツベルハーさん。考え方の主軸にしている構造主義の建築家で建築ではとても人間的な視点を大事にし、かつ固い建築をする方です。一方で本人はとても遊び心があってとても魅力的な人です。
とにかく自分がやりたいことを思い切りやってほしいと思います。何か考えこんで動かない、慎重になりすぎるのではなくて積極的に開拓していく姿勢が大切だと考えています。自分の経験上でも積極的にとにかくやっていったら結果がえられることが多いようにも思います。
大学院生の時はあまり大学で“勉強”していた印象はなく、設計事務所でのインターンのバイトや実際に自分の作品をコンペに出すなど実際の建築の現場に携わることを多くやっていました。大学に行っていた印象はないが建築の本や色々な分野の本をよく読んでいました。
人間環境学府は分野が違えど“人間”に関わることを扱っている学府です。その中で他分野であってもお互いもっている知識や思いをうまく使いながら交流してやっていけたらなあと思っていますが、問題はそれぞれの先生が時間がなくてなかなかお話する時間が持てないことですね。教員だけでなく他分野の学生同士が様々な場を通してつながっていけたらいいと思います。
今後はさらに研究をすすめていくとともに、地域の人や実際に使う人が喜んでもらえるような設計や実際にその建築にふれて楽しいという感じやわくわくする感じをもてるようなものをつくっていきたいと思っています。
○行動主義-レム・コールハースドキュメント 瀧口範子(著) TOTO出版
○にほんの建築家 伊東 豊雄・観察記 瀧口範子(著) TOTO出版
○正方形・円形・三角形-ブルーノ・ムナーリ かたちの不思議1,2,3 ブルーノ・ムナーリ(著),阿部雅世(翻訳) 平凡社
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