九州大学logo大学院人間環境学府
大学院人間環境学研究院

Faculty information

教員情報
img

高柳 茂美講師Shigemi Takayanagi

専攻 行動システム専攻
部門 (キャンパスライフ・健康支援センター)
コース 修士: 健康・スポーツ科学
博士:
講座
九州大学研究者
データベース
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K001885/index.html

研究内容

研究テーマ設定の背景

緊張から実力を発揮できなかったり、逆にちょっとしたきっかけで自分の実力以上のパフォーマンスを発揮できたり、といったことを高校・大学の頃に体験し、身体と心の関係の不思議さに関心を持ったのがきっかけで、大学院生の時は競技パフォーマンスと心理状態の研究をしていました。その後、「健康」というキーワードが加わり、人の健康行動には心理的要因が大きく影響していること、また、人の健康行動を変容させるには、知識だけではなく身体感覚への気づきも重要であることがわかってきます。さらに、その過程で、身体をその人の全体性の立場から捉える「ボディワーク」と出会い、身体を通した自己への気づきを研究テーマとすることとなりました。当たり前のことですが、身体と心はお互いにとても関係していますし、人は環境から大きな影響を受けます。それらのことを、知識や思考からのみではなく身体的体験から理解していくボディワークは、とても奥深くて面白いテーマだと思っています。

 

研究手法

ボディワークを通した体験により、身体感覚や自己意識へどのような気づきが生じるか、また、それらが健康および健康観にどのような影響を与えるかについて、体育の授業や日常生活の実践の場で研究しています。さらに、メンタルヘルスや心理的諸指標と生活習慣の関連について、主に大学生や女性を対象とした調査研究を実施しています。いずれの研究も質問紙あるいは自由記述によるデータを取っています。

 

調査対象や調査地についての解説

体育の授業や健康教室などが調査地となります。また、授業を受講する学生や教室に参加する人が調査対象となります。

 

分析のためのソフトウェアやツール

統計解析ソフトウェアSPSSを使用しています。また、自由記述の分析にはテキストマイニングソフトを使います。

 

研究生活で最もわくわくしたこと、逆に最も落ち込んだこと

身体はその人の心を表現するという体験を得た時、また、身体を通して「知らなかった自分に気づく」という体験をした人の話を聞く時は、とてもわくわくします。逆に、とても興味深い「身体的な体験」があった時に、それを統計処理をすることはもちろんのこと、言語化することも難しい場合、ちょっと残念に思ったりします。

 

研究生活で出会った印象的な人物やエピソード

身体論やボディワークの実践者の方々に学ばせてもらうことが多くありました。その方法論はそれぞれ異なっていますが、身体や心の捉え方には共通するものもありました。とてもユニークで印象的な人が多すぎて残念ながらここでは書ききれません。

 

大学院生へのメッセージ

興味深いと思ったことにどんどんチャレンジしてください。

 

大学院生の時何をしていたか

基本的には同じ大学の研究室の人たちとの交流が日常だったのですが、他大学の近接領域の研究分野の大学院生たちと交流する機会もあり、視野が広がりとても面白かった記憶があります。研究データをとるために他大学に出張することはありましたが、学部時代の勉強不足を補うため、ひたすらこもって本を読む生活でした。

 

学際連携についての思い

分野の異なる人と交流すると様々な視点のあることに気づかされます。特に「人間」や「環境」を研究しようとしたら多角的な視点が重要になってくると思います。

 

今後の研究・実践活動について

言語化することが難しい身体や心の変化に対してどのような手法で分析できるか考えつつ研究を進めていきたいと思っています。

 

おすすめの文献

○「原初生命体としての人間―野口体操の理論」野口三千三 岩波書店

○「臨床の知とは何か」中村雄二郎 岩波書店

研究ブログ

研究ブログが投稿されていません。