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大学院人間環境学研究院

Faculty information

教員情報
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高野 和良教授Kazuyoshi Takano

専攻 人間共生システム専攻
部門 人間科学
コース 修士: 共生社会学
博士: 共生社会学
講座 共生社会学講座
九州大学研究者
データベース
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K003558/index.html  http://www2.lit.kyushu-u.ac.jp/

研究内容

研究テーマ設定の背景

人口が減少し、世帯が極小化するなかで、地域社会での相互支援などが期待されますが、実際には様々な課題があります。そうした状況のなかで、人口減少社会の社会像をどのように描くかを考える必要があると思っています。

 

研究手法

フィールドワークを中心とした実証研究(質的調査、量的調査)

 

調査対象や調査地についての解説

人口減少率の高い過疎地域を対象としています。具体的には九州や中国地方の農山村や、地方小都市。

 

分析のためのソフトウェアやツール

社会調査(量的調査)の分析には統計解析ソフトを使用(SPSSなど)

 

研究についてのこだわり

フィールドワークを重ねて、現実を徹底的に確認することと、そこから引き出される様々な課題の一般化を常に意識しています。

 

研究生活で最もわくわくしたこと、逆に最も落ち込んだこと

わくわくしたこと→ひとつのフィールドを対象としてフィールドワークを継続することで、そのフィールドの様々な組織や集団の関係や、住民のネットワークなどが解きほぐされて、社会構造が浮かび上がってきたこと。

 

落ち込んだこと→特になし。

 

研究生活で出会った印象的な人物やエピソード

ある高齢者の施設に入所している方との会話がとても印象的でした。

 

最初にその施設に聞き取りに行った時に入所している方から「施設に入ることができてありがたいが、自分の家に残してきた栗の木のことが気になる」という話を伺いました。

 

その話を耳にしたので、「高齢者の方が自宅に戻れるような支援が大切ですね」と施設の方にお話ししました。

 

数年後、同じ施設に行って、同じ高齢者の方とお会いした時、「搗ち栗(かちぐり)」を頂いたことで、栗を取りに戻れるような支援につながったこと、また、自分にその話をしたことを覚えていてくださったことに気付き、印象に残っています。フィールドワークは一時的な関係にとどまらないこと、その重みを考えさせられました。

 

大学院生へのメッセージ

様々な立場の人と是非たくさんの議論をしてほしいと思います。

 

大学院生の時何をしていたか

在籍していた研究室で取り組んでいた社会調査のため、大牟田市でフィールドワークを繰り返していました。今にして思えば、そのときの経験が、フィールドワークに対する姿勢を作ってくれたように思います。

 

研究内容は、社会福祉における制度と私的な社会事業(ボランティアなど)との関係のあり方を探っていました。

 

学際連携についての思い

自分の専門だけでなく様々な領域の方法論や理論に触れることができるのは、とても貴重なことと思います。

 

多分野連携プログラムをはじめ、多くの院生にそのような経験を持ってもらいたいと思います。

 

今後の研究・実践活動について

西日本の過疎農村をフィールドとしてきましたが、こうした地域では市町村合併の影響をとても大きく受けています。そこで、市町村合併の評価研究に取り組んでみたいと考えています。

 

また、消滅の可能性すらある過疎集落が増えつつあるなか、今後10〜20年の中期的な対策のあり方も考えていきたいと思っています。

 

おすすめの文献

○鈴木榮太郞,1940(1968),『日本農村社会学原理』未來社.

○宮本常一,1984,『忘れられた日本人』岩波書店(岩波文庫).

○谷富夫・山本努編,2010,『よくわかる質的社会調査 プロセス編』ミネルヴァ書房.

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