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大学院人間環境学研究院

Faculty information

教員情報
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光藤 宏行准教授Hiroyuki Mitsudou

専攻 行動システム専攻
部門 人間科学
コース 修士: 心理学
博士: 心理学
講座 心理学講座
九州大学研究者
データベース
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K003120/index.html  http://www.psycho.hes.kyushu-u.ac.jp/

研究内容

研究テーマ設定の背景

工学部でデザインの勉強をしていた時に、人間を対象とする科学(私の場合は、心理学)があることを知って、真面目に取り組みたいと思いました。錯視などは簡単そうだし(実際にはそんなことはありませんでしたが)、これなら誰でもできそうだ、とも思いました。より真面目に言えば、物質である脳が物質ではない意識を作り出すのはなぜか、という問いに、大学生の時から惹き付けられ続けています。

 

研究手法

心理物理学的手法を用いて、人間の知覚の仕組みを理解することを目指す実験を行っています。実験装置や器具は、市販の部品を組み合せて自作することが多いです。また、人間の知覚について、計算機によるシミュレーションも行っています。

 

調査対象や調査地についての解説

大ざっぱに言えば、近くの人々に実験協力のお願いをして、実験室に来てもらい、実験室で実験を行っています。近くの人々とは、自分自身、研究室の学部生・大学院生、知り合いが多いです。実験室は、伊都キャンパスの行動実験棟にあります。

 

分析のためのソフトウェアやツール

あまりこだわりはありませんが、今は、知覚心理学実験のための刺激作成とデータ取得のためのプログラム作成には、たいていMacOSXのXcodeを使っています。統計処理やグラフの作成にはソフトウェアのRを使っています。計算機による人間の知覚のシミュレーションは、XcodeとRの両方を使うことが多いです。

 

論文原稿は、Microsoft Wordを使って書きます。版組を自分で行う必要があるときは、LaTexを使うことが多いです。

 

研究についてのこだわり

流行のテーマをできるだけ把握して、それらからなるべく離れた問題に取り組むように心がけています。関連しますが、誰でも思いつきそうなこと、できそうなことはしたくないと思っています。

 

研究生活で最もわくわくしたこと、逆に最も落ち込んだこと

最もわくわくしたのは、まだこの世界で誰も発見していない知覚現象を見つけたと思う瞬間です(勘違いも多くありますけれど)。逆に最も落ち込んだのは、気合いを入れて書いた論文のリジェクト(却下)通知を受け取った時です。

 

研究生活で出会った印象的な人物やエピソード

昔の心理学研究室の箱田裕司先生、三浦佳世先生、中溝幸夫先生です。修士1年生のとき、大学院人間環境学府を受験しようと考えて心理学研究室を千葉から訪れた時、非常に親切に応対していただきました。見ず知らずの人に対して、こんな丁寧なやりとりをする方たちがいるのかと、感激しました。そして博士後期課程から人間環境学府に編入学しました。それから出会った研究室の友人の中には、プログラミングの腕がプロフェッショナルな先輩がいたり、睡眠時間を極端に削って研究に打ち込む後輩がいたりして、刺激的な毎日でした。

 

大学院生へのメッセージ

真面目に言いますと、社会人としての常識を踏まえつつ、好き放題にやってください。教員はあまり賢くないと仮定して(仮定の話です)、教員を超えてください。教員を超えた能力や知識を身につけたことを、証拠を携えて教員に伝えることができればベストだと思っています。

 

大学院生の時何をしていたか

正直に言いますと、修士課程の頃は夕方に研究室に来て、まず友達と夕食に出かけました。そしていろいろなレクリエーションを行いながら、実験について考え、プログラムを作って、論文を読み書きし、明け方に帰宅していました。ゼミは夕方に開かれていたので、先生にいつも「君、寝起き?」とよく聞かれ、「はい」とよく答えていました。

 

博士後期課程のときは自分の生活スタイルを反省し、昼頃には大学に行き、レクリエーションの時間を減らし、論文の読み書きのために時間を割きました。

 

学際連携についての思い

できることなら何でもやります。

 

今後の研究・実践活動について

今後の研究については、長期的には、人間の主観的な意識はどのように生じているのか、という問いの答えに迫れたらと思っています。まだ誰も気がついていない問題の切り口を考えて、脳機能の測定を同時に含められるような、ユニークな研究がしたいです。

 

おすすめの文献

○越智啓太(編)(2018)意識的な行動の無意識的な理由:心理学ビジュアル百科認知心理学編創元社

○日本視覚学会(編)(2000).視覚情報処理ハンドブック朝倉書店

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