研究テーマ：ロシアとウクライナにおける正教会の歴史と現状

20世紀以降のロシアとウクライナの正教会について研究しています。2022年2月にウクライナ戦争が始まって以降、戦争に関連した正教会の歴史と現状についてのお話の依頼をいただくことが多くなっております。

もともとは、宗教が実質的に禁止されていたソ連時代にあって、ロシア正教の遺産がどのように一般の人びとの間で維持されてきたのか、ソ連時代に「聖人」がどのように記憶され崇敬されてきたのか、という問題を中心に研究していました。2015年から調査を始めたウクライナでは、正教会の分断が問題となる中で、正教会がどのような社会貢献活動を通じて社会全般とどのようにつながろうと試みていたのかを研究していました。

ロシアとウクライナ、どちらも私にとっては大切な人たちが暮らす、思い出深い国です。戦争によって、両国は分断され、それは政治や文化のみならず、歴史にも及んでいます。

なかなか現地に入れない状況が続いていますが、今までにお世話になった人たちとのつながりを大切に、堅実な研究を続けていきたいと思っています。